保育ロボットVEVO(ビーボ)
- 保育士不足を背景に発案した保育ロボット「VEVO」-

保育ロボットの発案は、この保育士不足が背景にあります。当社は、保育士が7万人足りないという中で保育園をさらに増やそうとしていたわけですから。保育士の給料をあげる施策は行いましたが、それでも7万人の確保には遠く及びません。そこで、この不足分をロボットで補えないか?となったわけです。
ロボットでできることは何だろう?と調べていくと、言葉がけをしたり、身のまわりの世話をしたり、あるいは保育計画をたてて、それを達成させたりする保育の部分においては「人」でなければなりません。
一方、健康とか睡眠といった、生命活動に危険が生じないように見守る養護の部分は、むしろロボットや機械にサポートさせたほうが優秀ですし、保育士の負担を減らせるのではないか?と考え保育ロボットVEVOが誕生しました。

保育ロボット「VEVO」がもたらすIT体験

当園では、VEVOが登校園のデータを管理しています。帰り際には、子どもたちのお昼寝時間や遊んだ正確な時間を知らせたりもします。100人の園児の情報を1分単位で正確に言える保育士はいませんよね。VEVOなら容易いことです。 また、これは私も予想しなかったメリットなのですが、VEVOが子どもたちに愛される存在になったということです。ある園ではVEVOに「手はきちんと洗おうね」と言わせたところ、子どもたちがきちんと手を洗うようになったそうです。

さらに経営者目線から言えば、一人1分の伝達事項をVEVOが担えば、1分×園児100人で1時間40分の時間が毎日削減でき、保育士一人分が削減できることにも繋がります。

保育業務支援システムCCS PRO
- 働きやすさをサポートするCCS(Child Care System) -

私が園長時代、手書きが大変で、事務はエクセルで済ませられないかと考えていました。私が園長のままならエクセルで十分だったと思います。しかし、その後、たくさんの園を作るようになってからはクラウドでなければ困るようになりました。
常に情報にアクセスできて状況を知る必要があります。今日は何人お子さんを預かっていて、何時に帰ったのか、保育士は何人いるかなど、複数の園の情報を常に把握する必要がありました。
1日の情報は1カ月経てば出勤簿になり、登降園簿になり、やがて補助金申請にもつながります。複数園経営者にとってクラウド化は必須だったわけです。これが、ICT事業に参入した理由のひとつで2014年にはCCS(Child Care System)の提供を開始しました。

さて、クラウド化のもうひとつのメリットは、解析ができることです。「この園は土曜日に預かる子が多いな、とか。この園は保育士が多いのに事故が起こっているが、こっちの園は保育士が少ないのに起こっていない」などです。原因を解析しなければ、事故が多い園の保育士を増やそうとなるが、データがあれば保育士の数と事故は無関係だと分かるわけです。
クラウド化のいいところは、客観視できるところです。解析してはじめてゴールが見えてくることが多いものです。

連絡帳アプリCCS NOTE
- 保護者とのコミュニケーションを強化する連絡帳アプリ -

連絡帳アプリCCS NOTE -保護者とのコミュニケーションを強化する連絡帳アプリ-

私が園長を務めていた時代にまず思ったのが「保育園事務はなんと時代錯誤なことか。もっと効率化できれば保育士の負担が減るのに」ということです。
当時は30人定員の園でしたが、毎日必ず一人はお休みする園児がいるものです。そのため、朝の一番忙しい時間に、保護者からのお休みの電話が毎日のようにかかってきます。電話は、わざわざ出なければいけないところがデメリットの部分です。この休み連絡を、アプリで通知できれば、保護者も保育士の負担も軽減するのにと思ったのです。

2014年、あい・あい保育園の事務をデジタル化し、朝の電話連絡は激減しました。連絡帳も手書きではなくメールによるものになったからです。
ご存じのように連絡帳は園と保護者をつなぐ大切なものであり、手書きを良しとする声も多いため、大反対も覚悟していました。でも、一度、デジタル化の便利さを味わった人は後戻りできないようです。
当園では、補助金申請といった細かい書類もスムーズであり、指導計画など、過去データを参照しながら進める書類も効率よく作業しています。そのため保育士の負担は大幅に減っていると思います。

午睡センサーCCS SENSOR
- ダブルチェックで見守りを強化する午睡センサー -


意外かもしれませんが、園児のお昼寝中は、保育園と保育士にとって一番忙しい時間です。まず、午睡チェックという行政指導に基づいた大変細かなチェックを担当保育士はこなさなければなりません。午睡を見守る仕事は、私たちが思っている以上に神経を使い、緊張するものなのです。さらに、子どもたちが寝ている時間を利用して、会議や事務仕事をする保育士もいます。
あい・あい保育園は、この午睡シーンにも機械のサポートを導入し、保育士の負担を軽減しようと考え2019年に「午睡センサー」を開発しました。
午睡中は、SIDS(乳幼児突然死症候群)の危険がありますから、人間と機械のダブルチェックにより、安全性を高める目的があることは言うまでもありません。

AI保育
-AI(人口知能)を活用し保育サービスの質向上へ―

“現場”の改善を遅らせているのは“現場”

あい・あい保育園では、2014年に開発した保育業務支援システムCCS(Child Care System)を導入し、実に年間2600時間にも及ぶ業務の負担を軽減することができました。(※CHaiLD調べ)業務負担が軽減されたおかげで、保育士は子どもたちにじっくりと向き合う時間が増え、さらに休日の確保など働き方改革も実現できました。
働き方改革が進めば、優秀な保育士の確保にもつながります。保育園運営において最も大切なのは優秀な保育士の存在。つまりシステムの導入は単なる現場の業務負担軽減に留まらず、ひいては保育の質の向上につながると言えるのではないでしょうか。
しかし、ICT化を遅らせている最大の壁はその保育現場の閉そく性と「アナログを良し」とする風潮です。「手作業に慣れている」や、「子どものためには温かみが感じられる手書きが良い」という固定観念がICT化を阻んでおり、現場の環境改善が行われないのは残念です。

AIの活用で子どもの発熱予測が可能に

現在、あい・あい保育園ではこのCCSシステムと連動したCCSセンサーを使って、お昼寝中の子どものうつ伏せ寝をいち早く検知しています。実はこのセンサーこそが保育にAIを導入する第一歩となりました。
もともとCCSセンサーは、お昼寝中の子どもの皮膚温度を毎日計測しているわけですが、これまでに得られた大量のデータを分析した結果、たとえその日に発熱していなくても、翌日に発熱することが予測できるようになったのです(正答率7割以上)。
この発熱予測が保護者や保育士にとってどれぐらい有益か、あい・あい保育園の保護者(n=348)を対象にアンケートを実施したところ以下のような回答となりました。
・「翌日、お子さんが発熱する可能性が高いことを前日から知りたいですか?」という質問には約9割の保護者が「Yes」と回答。
・「お迎えの時、明日お子さんが発熱する可能性が高いことを保育士から伝えられた場合、どうしますか?」という質問に対しては、「子どもの様子を見る」が27.0%、「家族で仕事の予定を調整する」が25.5%、「保育園を休むことを検討する」が8.5%と回答。6割以上の保護者が、前日に何らかの対策を講じています。
何の前触れもなく、子どもの急な発熱の連絡を受けた保護者は急いで仕事の調整をして、お迎えに向かわなければなりません。このアンケートの結果からも翌日の発熱の可能性を事前に知り、早めに仕事を調整できるという「発熱予測」は保護者にとってメリットのある情報であることは明らかなのです。

AIの活用は、保育士の直感を裏付ける強い味方に

私が保育業界のAI化を推奨する理由の一つは「保育の質の向上」を目指しているからです。
たとえば保育園に対して行った上記同様のアンケートでは「普段保育をしていて、子どもの体調が悪そうだと感じるきっかけは何ですか?」という質問。
最も多かった回答が「顔色」で89.2%、次いで「機嫌」が75.7%、そして「食欲」「行動が少ない」「排便」と続きます。
このように保育士は、子どもの健康状態を「顔色」や「機嫌」など、数値化できない情報に自分の“直感”を加えて判断しています。これにCCSセンサーの発熱予測という数値データが加われば、保育士の直感を強力に補ってくれるエビデンスになります。
発熱予測が保育園で当たり前に行われるようになることは、子どもたちにとっても有益であることは言うまでもありません。なぜなら、登園後に急に発熱する子は少なくないからです。お迎えの保護者を待つ間、子どもたちは耐えて待つしかありません。発熱するのがわかっていたら辛いのに登園することもないし、早めに病院に行くこともできるのです。
子どもたちが辛い思いをせずに済むためにも、保育業界のデジタル化とAI化は急がれるべきだと考えます。当社はAIの活用により子どもたちが笑顔を守り、そして保護者の満足度向上につなげていきたいと思います。