当社は「貢献からの利益を追求する」を理念とし、「保育」「介護」「ICT」の3つをコア事業とする総合福祉企業です。中でも保育事業においては、当社の代表取締役である貞松が2007年の無認可保育園からスタートし、2019年には直営施設である「あい・あい保育園」が70カ所を超えるまでに成長いたしました。 今、保育業界は変革の時代を迎えています。当社の保育、介護、ICT事業に込めた想いや、当社の未来について記しています。

社長の思い

  • AIAI
  • AIAI PLUS
  • YASURAGI
  • JASM
  • CCS
  • 今後の展望

園名の由来/コンセプト
- 子どもも大人も“ほっとする”保育園に -

〈園名の由来〉名前に込められた2つの愛

あい・あい保育園の「あい・あい」は、保護者と保育者の子どもたちに対する2つの“愛”を示しています。
園の入り口にはAIAIと表記されていますが、これは、洗練さを追究するためアルファベット表記にしてあります。また、ちょうど外国の方のお子さんが増え始めた時だったこともアルファベット表記を選んだ理由です。

開園第1号の あい・あい保育園 幕張園
リゾートホテルのエントランスを目指した あい・あい保育園ユーカリが丘園

〈コンセプト〉間接照明を使ったエントランス

最初の幕張園を開園した当時は資金に余裕もなく、外観はお世辞にもきれいとは言えませんでした。園の運営が軌道に乗るにつれ、考えるようになったのは保護者がお迎えにきた時、ホッとするような保育園にしたいということです。
リサーチを重ねて行きついたデザインが、間接照明を使ったエントランスで保護者の方を迎えたらどうだろうという事でした。
2016年のユーカリが丘園のコンセプトが、まさにその間接照明のエントランスを具現化したものです。間接照明をふんだんに使いトンネルをくぐり抜ける演出になっています。
保護者様からの評判もよかったため、この園以降は標準化しています。

外観/内装
- 乳幼児が過ごす場として良い環境とは? - 目次に戻る

〈外観〉一般的な保育園イメージを覆した外観

あい・あい保育園は、落ち着いた外観が特徴です。外観のデザイン決定までには試行錯誤の期間がありましたが、ヒントとなったのは「住まい」です。
よく、“一見、マンションみたいで保育園とは思いませんでした”というお声を頂くのですが、それこそ狙い通りです。あい・あい保育園は「もうひとつの家」がコンセプト。子どもたちが自分の家にいるように、安心して過ごしてほしいという思いも込められています。

〈内装〉安心がテーマの内装は時代と共に変化

外装と同じように、子どもたちが自分の家にいるように、安心して過ごしてほしいという思いから、内装も木目を基調としています。
つまり、経営者としての視点で言えば、利用者(ターゲット)のニーズに合わせて、初めて「あい・あい保育園」のデザインが決まったということになります。現在は、すべての直営園で統一していますが、この様式になった第一号は2014年の小村井園(小規模保育)でした。 
また、時代とともに流行があるため、今後はアイボリーを多く用いるデザインになる予定です。来年開園の「流山おおたかのもり第二園」は、まさに白い“あい・あい”が誕生します。

大型固定遊具「AINI(アイニー)」
-「AINI(アイニー)」に備わったスゴイ機能 - 目次に戻る

大型固定遊具AINI
「跳躍力」、「懸垂力」、「支持力」を育む設計

土台となる運動能力を養ってくれる

幼児期は生涯にわたる運動全般の動きを獲得する重要な時期です。そして、子どもの体力・運動能力を向上するためには、日常生活の中で多様な動きを身に付けることが肝心です。「あい・あい保育園」には、原則として大型固定遊具「AINI」があります。当園の子どもたちが卒園するまでに、基本的な運動能力を身につけてほしいという願いから私が考案しました。

子どもたちは、カラフルで楽しそうなAINIが大好きで、「やってみたい!」「挑戦してみたい!」と、すぐに遊びだします。でも、実はAINIは「跳躍力」、「懸垂力」、「支持力」の3つがないとうまく遊べないように考案されています。たとえば“ネットトンネル”は、体を支える筋力やバランス感覚がないと登ったり、くぐったりが上手にできません。子どもたちがAINIで、楽しく遊ぶことで、将来にわたって大切な運動の基礎を養ってくれれば本望です。

一度、AINIで遊んでいない子どもと、毎日AINIで遊んでいる子どもの体力データをとったことがあります。その結果、AINIで遊んでいるお子さんの運動能力の方が大きく上回っていたという結果データが出ています。(当社調べ)

AINIの1/3のスペースがあれば設置できる

園庭がなくてもAINIのような遊具

さて、このように結果を出しているAINIですが、都内ではどうしても土地確保が難しく設置できない園が出てしまいます。そのため、AINIに代わる遊具として「AINI BOX(仮)」を考案しました。これは、最小だと6メートル×3メートルの三階建ての箱型の遊具で、中に入ると各階に遊び場が用意されています。中に入ると、まず階段、そして砂場やトンネルなどが続きます。全部の階をクリアするとAINIのように基礎体力が鍛えられる遊具となっています。AINIの1/3のスペースがあれば設置できること、雨の日でも遊べるのが利点で、2021年の「あい・あい保育園おおたかの森第二園」がAINI BOX設置第一号園となります。

学習室
- 一人にひとつの机と椅子には理由がある - 目次に戻る

ひと昔前、わが国の保育園は乳幼児を預かる場所で、教育の視点はありませんでした。ところが共働きの夫婦が増え、保育園から小学校へ就学する子どもが増えるなど社会情勢の変化に伴い、保育業界でも幼児教育の必要性が求められるようになってきました。
あい・あい保育園では、いち早く遊びを通して子どもたちの可能性を広げるプログラムを取り入れています。自慢は園に設置している「学習室」です。子どもたち一人ひとりに一つの机と椅子を用意し、大型のプロジェクターも設置しています。自分の机と椅子があるだけで、子どもたちの意欲が高まりますし、就学後の環境に慣れさせる意味もあります。
個人差もありますが知能の発達が期待される3歳以上の子どもたちは、IQパズル(後述)などの教育プロブラムに取り組みます。どの子も目をキラキラとさせ、時には大人顔負けの集中力を見せてくれます。IQパズルは指先を使うプログラムで、指を使うことにより脳はさらに鍛えられます。
余談ですが、乳幼児の教育は母親がやるものだ、保育園では一斉授業はするべきではないと思っている保育園がいまだにあると聞き、残念でなりません。それは、保育園の職員が教育者のスタンスに立っていないからではないでしょうか。今後の幼稚園、保育園、こども園の整合性を考えて、子どもたちの可能性のために、多くの体験をさせてあげてほしいと考えます。

あい・あいプラス(旧にじ)について
発達が気になる子どもの支援施設の必要性

■自らの経験から「障害児保育事業」の重要性を実感

2014年に「にじ」を作った理由は、発達が気になる子に対して、その子自身の成長を支援したかったからです。私の経験として、保育園を経営していると60名定員の保育園を作ると少なくても1人、多くて3人は発達面で気になる子がいます。本来的には、その子の発達にあったプログラムを提供したいところなのですが、保育園は、基本的に18ヶ月検診前に入園するため、どうしても入園後に気付くことになるため、避けることができない構造です。

例えば、入園後、みんなで散歩に行こうとしても、ある子だけは行こうとしません。他のことに興味を持っているのか、まだ言葉が分からない状態なのか、理由は様々です。こういった場面で初めて保育士がその子の発達面に遅れがあることに気づくのが現状なのです。この場合、日本の現行制度では、保育士を一人増やすことで対応しており、戦後、ずっとこれでやってきました。でも、それは果たしてその子のためになっているのでしょうか?

人と違うことをするからマンツーマンで保育士がつくだけで、保育園でその子の行動は変わりません。これでは、せっかく5年間通ってくれたとしても、その子にとって適切な保育を提供することができないまま、卒園して行ってしまいます。このような経験から、発達が気になるお子さんをサポートする施設を作りたいと思ったのです。

■すべての子どもの成長をサポートするために

私は、発達障害児に関しては、発達障害について専門的な知識を持つ医師などの専門家が見るべきであると考えています。
そのため「にじ」は、ただ預かるだけでなくその子にあった教育プログラムを提供することで、その子の成長をサポートするような施設にしたいと思いました。

そもそも「発達障害」という言葉が世間で知られるようになったのは、15年程前です。2005年に発達障害者支援法が施行されてから徐々に周知が進み、2010年代には、放課後デイサービスをはじめ、発達障害児に関するさまざまな施設がたくさん出来ました。
放課後等デイサービスを行う「にじ」も開所から6年経ち、ノウハウや経験を重ねていった結果、本当に子どもたちの力になっているのか疑問が生じました。そしてまだまだ力不足であると痛感しました。

これまでのノウハウと経験で「にじ」をパワーアップ

■あい・あい プラスの“プラス”に込めたもの

現状の「にじ」では、お子さんの成長に寄与するという当初の目標を達成するのが難しいと考え、2021年4月からは「あい・あいプラス」と名称を変えて、プログラム内容を抜本的に刷新する予定です。名前の“プラス”には2つの意味が込められています。1つは、子どもたちにとってプラスになるということ。そしてもう1つは、あい・あい保育園にとってもプラスになるということです。

まず、子どもたちにとってのプラスは、「学習プログラム」と「運動プログラム」により、学習面と運動面はもとより、対人関係や社会生活に必要な社会性に関するスキルも育まれることです。
そして、あい・あい保育園にとってのプラスは、「あい・あいプラス」のスタッフが、あい・あい保育園に直接訪問して、これらのプログラムを行うことです。これによりあい・あい保育園に通う発達が気になる子に対しても、その子自身の成長に寄与できるのです。

■その子の成長に合わせた3つの「学習プログラム」

「あい・あいプラス」で提供する「学習プログラム」は3つあります。視覚認知機能を高める「脳バランサーキッズ」、手先を使う「微細運動トレーニング」、学習の土台となる図形や思考力を育てる「IQ(いっきゅう)パズル」です。これらを、その子自身の課題に合わせた支援計画で行います。毎日、毎日、繰り返し、反復することで、お子さんは向上しますし、変わっていくと信じています。また、定期的に記録を分析して、適切なフィードバックにつなげていきます。

■反復練習でスキルを育む「運動プログラム」

「運動プログラム」は作業療法士と養護教諭の監修で作成しました。障害を抱える子どもがつまずきやすい部分について特に反復練習できるように監修したもので、もちろんその子自身の課題に合わせた支援計画に基づいて実施します。他にも挨拶や順番を待つ、話を聞く、友達を応援するといった対人関係に必要なスキルを育む2人~4人の小集団の運動プログラムもあります。

■「あい・あいプラス」で働くスタッフの専門性を独自の教育制度で強化

さらに、「あい・あいプラス」で働く職員は全員が保育士資格を保有し、作業療法士などの専門資格をもった専門家の人材も配置します。
さらに、一般の保育士も当社独自の教育制度で専門性を身に付け、発達障害におけるアドバイスができるようにするのが目標です。保護者様の相談にも乗れるような頼れる存在になる、そういう取り組みを行っていく予定です。

出張プログラムの意義とインクルーシブ教育

■「あい・あいプラス」の独自性とは?

あい・あい保育園は今年で80園ほどになりますが、どの園にも発達障害児が1~2人の割合で在籍します。発達障害により周囲とのコミュニケーションがうまくとれないことで、自己肯定感が低くなることにもつながります。つまり、少なくとも毎年80名ほどの子どもたちが、生活のしづらさを感じながらもその子にあった学びや成長の機会を得ないまま卒園していってしまうのです。

そこで「あい・あいプラス」による、あい・あい保育園への出張プログラム「あい・あいプラスサポート」の仕組みを考えました。彼らの成長の手助けとなるプログラムの専門家が、“こうすれば、こうのびる”というプログラムを、在籍している保育園で提供できるようにしました。これは、保育園を広く展開している当社ならではの仕組みと自負しています。ちなみに、あい・あいプラス10施設のうち5つの施設があい・あい保育園と併設しているため、普段の様子や課題も情報共有もしやすいというメリットがあります。

■保護者の負担軽減にもつながる

発達が気になる子どもへの支援は早期に実施することが重要です。しかし、障害が軽度である場合、幼いほど認知されにくく、親も周囲も教育やしつけの問題と考えてしまうことも少なくありません。でも、お子さんは「生きづらさ」「生活のしづらさ」を感じながら過ごしているかもしれません。成長すればなおさらです。

さらに、保護者は子どもの発達が気になっていても、専門機関への相談に抵抗を感じる方も少なくありません。仕事を持っていれば、休みをとって遠方の療育施設に通うことも難しいでしょう。
そのためにも「あい・あいプラス」の出張プログラムが有効だと考えます。さらに、障害のある子どもと障害のない子どもが共に教育を受けることで共生社会を実現するインクルーシブ教育にも通じるものと考えます。 

■将来的なプラスも視野に

保護者の方にお願いしているのは療育手帳の取得です。療育手帳がないと「あい・あい プラス」のサービスは受けられません。しかし、療育手帳と障害者手帳を混同なさっている方も多く、周囲に知られるのを嫌がって拒む方もいらっしゃいます。療育と障害は別のもので、成長とともに外れるケースも多いのです。もし発達に心配をお持ちなら、お近くの自治体に相談してみてください。
今後、「あい・あい プラス」では、プログラムを受講した卒業生の追跡調査もしたいと考えています。プラスになったというデータがエビデンスとなれば、保護者様、ひいては共生社会の形成にもつながる意義があると考えています。

ふれあいの住まい「YASURAGI(やすらぎ)」

介護事業の柱となっているのが「YASURAGI(やすらぎ)」シリーズです。ご存じのように日本は超高齢化社会に突入していますが、厚生労働白書(令和2年版)によれば、高齢者の人口推移は2040年にピークを迎え、推計で3,868万人、高齢化率は35.3%にもなります。

当社では、現在、東京と大阪に2施設、サービス付き高齢者向け住宅「やすらぎ 入谷」と、住宅型有料老人ホーム「やすらぎ東住吉」を展開していますが、今後は新施設の開所も含め介護事業にも力を入れていく予定です。
その第一歩として行うのが2021年4月より行うサービス内容の大幅な見直しです。利用者様が毎日を楽しく過ごせる施設として、新生「YASURAGI」がスタートします。

施設ではなく“住まい”をコンセプトに「3つの見直し」 目次に戻る

●見直し1:おいしい食事

何歳になっても、毎日の暮らしで一番の楽しみは食事だと思います。そのためまず、食事を見直しました。試食会や試行錯誤を重ねた結果、誰もが「おいしい」と評価してくれる自慢の食事を提供します。味だけでなくメニューや栄養面、食べやすさにも配慮しています。

●見直し2:楽しみコンシェルジュを配属

高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームで行われるレクリエーションは、コミュニケーションの促進や、身体機能の維持、脳の活性化に役立つという目的がありますが「YASURAGI」では、これらに加えて“楽しむ”ことを大切にします。
そこで新しく1名以上の「楽しみコンシェルジュ」を配置します。“コンシェルジュ”とは、ホテルや病院、駅などで、お客さまの要望に応える人を指しますが、YASURAGIの「楽しみコンシェルジュ」は、利用者様一人ひとりがレクリエーションを楽しめるようにキメ細かく、まさにコンシェルジュのようにコーディネートするスタッフのことです。

さて、レクリエーションの時間は毎日、昼食後14:00~16:00で、「活脳パズル」「映画鑑賞」「カラオケ」「体操プログラム」の中から何かしら1つが行われます。「活躍パズル」は、いわゆる認知予防として脳を活性化させるための脳トレで、大変人気があるプログラムですが、「楽しみコンシェルジュ」が個々の状態にあったものをコーディネートします。また「体操プログラム」も簡単すぎず難しすぎず、その人にあった運動をコーディネートし身体機能の向上やストレス発散になるようにします。「映画鑑賞」においては、どんなプログラムが人気なのか楽しみコンシェルジュがアンケートを元にセレクトします。利用者様が自分らしい楽しみを見つけて、毎日を笑顔で過ごしてくださると幸いです。

●見直し3:介護職員の質の向上

介護に関する唯一の国家資格が「介護福祉士」です。介護に関わる幅広い領域の知識や技術を持っていると認められた人に与えられる資格で、介護の質を高めることにも繋がります。そのため「YASURAGI」では全員がこの資格の取得を目指しています。
実は、制服についても一新しました。新しい制服は「介護施設」のイメージを一新するものだと思います。

新制服についてのこだわり 目次に戻る

「やすらぎ」の制服(右:男性用/左:女性用)

●介護のプロとしての誇りを意識した制服に

「やすらぎ」の職員の新しい制服を見た人は、介護職らしくないと思う方もいるかもしれません。しかし、「やすらぎ」の職員は、常に介護の質向上を目指し利用者様の一番身近でキメの細かい支援をしている、いわば介護のプロであり社会貢献度も高い仕事に誇りをもっています。
そこで、「介護のプロ」が着るにふさわしい洗練されたデザインの制服にしたいと考えました。さらに、施設を訪れた人にも良い印象を持ってもらえるよう意識しました。

●機能性とスタイリッシュ性で働きやすさも重視

新しいデザインは、きちんとした印象を与える薄いブルーのシャツタイプにしました。ポケットには「YASURAGU」の刺繍が入っています。
もちろん、機能性にもこだわりました。シャツはストレッチ素材で動きやすく、着心地も快適だし、色落ちや傷みにくいといった制服ならではの耐久性もあります。それに防汚・撥水に優れたショートエプロンを組み合わせました。

●新制服から生まれる意義

実は制服にはさまざまな効果や意義があります。制服を着用することで仕事への自覚や使命感が生まれますし、同じ制服を着ることで連帯感や責任感も意識するようになります。

一般的に介護業界は「仕事がきつい」というマイナスのイメージを持つ人が多いです。そのため制服も「カジュアルすぎて地域の人への印象が悪い」「ラフすぎて着るのに抵抗がある」という不満の声もあると聞きます。おしゃれな「やすらぎ」の制服でイメージが変わるのではないでしょうか。
さらに、利用者様にとってもスタイリッシュできちんとした服装は明るい印象を与えますし、安心感や信頼感も増すと思います。

「やすらぎ」の新制服は、施設のイメージを変えることにも一役買ってくれると思います。「やすらぎ」のコンセプトは施設ではなく住まい。楽しく過ごせる場所にふさわしい制服になったと感じています。

エドテックとケアテックの推進で生産性を向上 目次に戻る

利用者様の想いに寄り添った介護をするためには、食事やレクリエーションの充実の他に、職員の質を高めることも重要です。私は、以前より職員の教育に力をいれたいと考えていましたが、教育には時間がかかります。時間を生み出すには、介護現場の生産性をあげなければなりません。
新生「YASURAGI」では介護にテクノロジーを活用した「ケアテック」と、教育現場にテクノロジーを取り入れた「エドテック」を導入し、生産性の向上に着手します。

●利用者様と働く人を支える「ケアテック」

ケアテックとは「Care(介護)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語で、介護現場のテクノロジー活用のことですが、そのひとつにベッドセンサーがあります。
新生「YASURAGI」では、これを導入し利用者様の危険防止に応用することで、万が一転倒事故などが起きた場合にいち早く駆けつけるスタイルに変更します。また、このベッドセンサーは心拍数の計測もできるので、定期的な夜間の巡視を行わなくとも安否確認が可能になり、利用者様の安眠を妨げることはありません。利用者様にとっても安心であり、ケアする側の負担軽減にもなります。

●働きながら学ぶ介護現場の「エドテック」

エドテックとは、「Education(教育)」と「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語で、教育現場にさまざまなイノベーションを起こすと注目されていますが、当社でも多いに活用したいところです。
そのひとつがインターネットを利用して学ぶe-ラーニングです。前述したベッドセンサーの導入に伴い、一律での夜間巡視をやめることで空いた時間をe-ラーニングの勉強時間に充てます。パソコンやタブレットで動画視聴とテストの15分で完結する教材で、視聴終了後には1つか2つの介護知識が習得できるように作られています。

科目は「ホスピタリティー」、「福祉用具とICT」など18科目4単元で、全部履修するには3年程必要になるでしょうか。時間を有効活用することで職員の能力が高まる上に、利用者様の安心にもつながる。そんな介護施設を、あい・あい保育園の隣に幼老複合施設として建設するのが目標です。もちろん保育園児たちとの世代間交流プログラムも、積極的にやっていきたいと考えています。

●やすらぎマイスターを実現する15分の「e-ラーニング」 

前述したe-ラーニングの教材をなぜ15分という短い時間にしたかというと、介護施設の職員はまとまった時間をとるのが非常に難しいからです。そのため隙間時間でも取り組めて、かつ専門知識が身に付き現場でも活用できるような形を理想としました。

実は、当社の運営するあい・あい保育園には「マイスター制度」という人事制度と連動した人材育成研修制度があり成果を挙げています。つまり研修を積み重ねることで昇進するし、給料アップにもなるわけです。
今回「YASURAGI」でも、このマイスター制度「やすらぎマイスター」を導入する予定です。e-ラーニングは、その入り口。ぜひ自己研鑽し、スキル向上に役立ててほしいと期待しています。

当社のグループ会社のひとつに一般社団法人 日本社会福祉マネジメント学会(The Japanese Association of Social Welfare Management)があります。「社会福祉」を「マネジメント」の観点から研究し、研究成果の公表や情報の共有等を行っています。
さて、このJASMには、あい・あい保育園にとって重要な役割があります。JASMの社会福祉士の教授陣の方々に協力を仰ぎ、保育士たちに論理性や仮説の立て方などを教えてもらうことです。
トライ・アンド・エラーという、何か問題に直面した時、仮設を立ててトライし、それが失敗だったらまた仮説を立ててトライする…、それを重ねていくうちに解決するに至る行動様式がありますが、まさにJASMとの協力でこれを実践することができます。
保育園の問題を考える時、教授や研究者は仮説を立てられてもトライができません。一方保育士なら現場でトライが容易にできます。仮説ばかりでもダメだし、むやみやたらとトライしてもムダになります。研究と実践が融合してはじめて成長がおきる—そういう場を作りたくてJASMという学会を作ったとも言えます。
もちろん、保育士の場合、学者のように論文というわけにはいきませんが、ある問題に対して、こう考え、こうやってみたらこうでしたとい実践レポートも立派な論文だと思っています。学会で発表するという場を設けることで、学士に負けない実績が残せるし、論文があれば、履歴書にも書けます。何より向上心のアップにつながります。

保育ロボットVEVO(ビーボ)
- 保育士不足を背景に発案した保育ロボット「VEVO」-

保育ロボットの発案は、この保育士不足が背景にあります。当社は、保育士が7万人足りないという中で保育園をさらに増やそうとしていたわけですから。保育士の給料をあげる施策は行いましたが、それでも7万人の確保には遠く及びません。そこで、この不足分をロボットで補えないか?となったわけです。
ロボットでできることは何だろう?と調べていくと、言葉がけをしたり、身のまわりの世話をしたり、あるいは保育計画をたてて、それを達成させたりする保育の部分においては「人」でなければなりません。
一方、健康とか睡眠といった、生命活動に危険が生じないように見守る養護の部分は、むしろロボットや機械にサポートさせたほうが優秀ですし、保育士の負担を減らせるのではないか?と考え保育ロボットVEVOが誕生しました。

保育ロボット「VEVO」がもたらすIT体験

当園では、VEVOが登校園のデータを管理しています。帰り際には、子どもたちのお昼寝時間や遊んだ正確な時間を知らせたりもします。100人の園児の情報を1分単位で正確に言える保育士はいませんよね。VEVOなら容易いことです。 また、これは私も予想しなかったメリットなのですが、VEVOが子どもたちに愛される存在になったということです。ある園ではVEVOに「手はきちんと洗おうね」と言わせたところ、子どもたちがきちんと手を洗うようになったそうです。

さらに経営者目線から言えば、一人1分の伝達事項をVEVOが担えば、1分×園児100人で1時間40分の時間が毎日削減でき、保育士一人分が削減できることにも繋がります。

保育業務支援システムCCS PRO
- 働きやすさをサポートするCCS(Child Care System) - 目次に戻る

私が園長時代、手書きが大変で、事務はエクセルで済ませられないかと考えていました。私が園長のままならエクセルで十分だったと思います。しかし、その後、たくさんの園を作るようになってからはクラウドでなければ困るようになりました。
常に情報にアクセスできて状況を知る必要があります。今日は何人お子さんを預かっていて、何時に帰ったのか、保育士は何人いるかなど、複数の園の情報を常に把握する必要がありました。
1日の情報は1カ月経てば出勤簿になり、登降園簿になり、やがて補助金申請にもつながります。複数園経営者にとってクラウド化は必須だったわけです。これが、ICT事業に参入した理由のひとつで2014年にはCCS(Child Care System)の提供を開始しました。

さて、クラウド化のもうひとつのメリットは、解析ができることです。「この園は土曜日に預かる子が多いな、とか。この園は保育士が多いのに事故が起こっているが、こっちの園は保育士が少ないのに起こっていない」などです。原因を解析しなければ、事故が多い園の保育士を増やそうとなるが、データがあれば保育士の数と事故は無関係だと分かるわけです。
クラウド化のいいところは、客観視できるところです。解析してはじめてゴールが見えてくることが多いものです。

連絡帳アプリCCS NOTE
- 保護者とのコミュニケーションを強化する連絡帳アプリ - 目次に戻る

連絡帳アプリCCS NOTE -保護者とのコミュニケーションを強化する連絡帳アプリ-

私が園長を務めていた時代にまず思ったのが「保育園事務はなんと時代錯誤なことか。もっと効率化できれば保育士の負担が減るのに」ということです。
当時は30人定員の園でしたが、毎日必ず一人はお休みする園児がいるものです。そのため、朝の一番忙しい時間に、保護者からのお休みの電話が毎日のようにかかってきます。電話は、わざわざ出なければいけないところがデメリットの部分です。この休み連絡を、アプリで通知できれば、保護者も保育士の負担も軽減するのにと思ったのです。

2014年、あい・あい保育園の事務をデジタル化し、朝の電話連絡は激減しました。連絡帳も手書きではなくメールによるものになったからです。
ご存じのように連絡帳は園と保護者をつなぐ大切なものであり、手書きを良しとする声も多いため、大反対も覚悟していました。でも、一度、デジタル化の便利さを味わった人は後戻りできないようです。
当園では、補助金申請といった細かい書類もスムーズであり、指導計画など、過去データを参照しながら進める書類も効率よく作業しています。そのため保育士の負担は大幅に減っていると思います。

午睡センサーCCS SENSOR
- ダブルチェックで見守りを強化する午睡センサー - 目次に戻る

意外かもしれませんが、園児のお昼寝中は、保育園と保育士にとって一番忙しい時間です。まず、午睡チェックという行政指導に基づいた大変細かなチェックを担当保育士はこなさなければなりません。午睡を見守る仕事は、私たちが思っている以上に神経を使い、緊張するものなのです。さらに、子どもたちが寝ている時間を利用して、会議や事務仕事をする保育士もいます。
あい・あい保育園は、この午睡シーンにも機械のサポートを導入し、保育士の負担を軽減しようと考え2019年に「午睡センサー」を開発しました。
午睡中は、SIDS(乳幼児突然死症候群)の危険がありますから、人間と機械のダブルチェックにより、安全性を高める目的があることは言うまでもありません。

AI保育
-AI(人口知能)を活用し保育サービスの質向上へ―

日本はAI後進国と言われていますが、とりわけ保育業界は遅れています。それどころかICT(情報通信技術)の普及もまだまだで、登降園時間や出退勤の記録など単純な日々のルーチンワークでさえ、いまだに手書きで行っている園もあります。単純な業務こそICT化することで業務負担は格段に改善されるのではないしょうか。

●“現場”の改善を遅らせているのは“現場”

あい・あい保育園では、2014年に開発した保育業務支援システムCCS(Child Care System)を導入し、実に年間2600時間にも及ぶ業務の負担を軽減することができました。(※CHaiLD調べ)業務負担が軽減されたおかげで、保育士は子どもたちにじっくりと向き合う時間が増え、さらに休日の確保など働き方改革も実現できました。
働き方改革が進めば、優秀な保育士の確保にもつながります。保育園運営において最も大切なのは優秀な保育士の存在。つまりシステムの導入は単なる現場の業務負担軽減に留まらず、ひいては保育の質の向上につながると言えるのではないでしょうか。
しかし、ICT化を遅らせている最大の壁はその保育現場の閉そく性と「アナログを良し」とする風潮です。「手作業に慣れている」や、「子どものためには温かみが感じられる手書きが良い」という固定観念がICT化を阻んでおり、現場の環境改善が行われないのは残念です。

●AIの活用で子どもの発熱予測が可能に

現在、あい・あい保育園ではこのCCSシステムと連動したCCSセンサーを使って、お昼寝中の子どものうつ伏せ寝をいち早く検知しています。実はこのセンサーこそが保育にAIを導入する第一歩となりました。
もともとCCSセンサーは、お昼寝中の子どもの皮膚温度を毎日計測しているわけですが、これまでに得られた大量のデータを分析した結果、たとえその日に発熱していなくても、翌日に発熱することが予測できるようになったのです(正答率7割以上)。
この発熱予測が保護者や保育士にとってどれぐらい有益か、あい・あい保育園の保護者(n=348)を対象にアンケートを実施したところ以下のような回答となりました。
・「翌日、お子さんが発熱する可能性が高いことを前日から知りたいですか?」という質問には約9割の保護者が「Yes」と回答。
・「お迎えの時、明日お子さんが発熱する可能性が高いことを保育士から伝えられた場合、どうしますか?」という質問に対しては、「子どもの様子を見る」が27.0%、「家族で仕事の予定を調整する」が25.5%、「保育園を休むことを検討する」が8.5%と回答。6割以上の保護者が、前日に何らかの対策を講じています。
何の前触れもなく、子どもの急な発熱の連絡を受けた保護者は急いで仕事の調整をして、お迎えに向かわなければなりません。このアンケートの結果からも翌日の発熱の可能性を事前に知り、早めに仕事を調整できるという「発熱予測」は保護者にとってメリットのある情報であることは明らかなのです。

●AIの活用は、保育士の直感を裏付ける強い味方に

私が保育業界のAI化を推奨する理由の一つは「保育の質の向上」を目指しているからです。
たとえば保育園に対して行った上記同様のアンケートでは「普段保育をしていて、子どもの体調が悪そうだと感じるきっかけは何ですか?」という質問。
最も多かった回答が「顔色」で89.2%、次いで「機嫌」が75.7%、そして「食欲」「行動が少ない」「排便」と続きます。
このように保育士は、子どもの健康状態を「顔色」や「機嫌」など、数値化できない情報に自分の“直感”を加えて判断しています。これにCCSセンサーの発熱予測という数値データが加われば、保育士の直感を強力に補ってくれるエビデンスになります。
発熱予測が保育園で当たり前に行われるようになることは、子どもたちにとっても有益であることは言うまでもありません。なぜなら、登園後に急に発熱する子は少なくないからです。お迎えの保護者を待つ間、子どもたちは耐えて待つしかありません。発熱するのがわかっていたら辛いのに登園することもないし、早めに病院に行くこともできるのです。
子どもたちが辛い思いをせずに済むためにも、保育業界のデジタル化とAI化は急がれるべきだと考えます。当社はAIの活用により子どもたちが笑顔を守り、そして保護者の満足度向上につなげていきたいと思います。

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