毎年恒例になった社員総会ですが、今年も立派な会場で開催することができました。
今年で創業から11年が経つわけですが、最初の総会は社員数も5名くらいでしたので、会場も小さな飲食店だったことがなつかしいです。
総会では役員から今年一年の振り返り、海外研修の報告、新取締役の挨拶、私から来年の方針を発表しています。
手前味噌ながら、海外研修の報告は素晴らしかったと思いました。
私からは、今後ますます重要になる専門性のある保育の提供の話として、「n=1の課題」の話をしました。

子育てや介護は、ほとんどの人にとってライフスタイルに組み込まれた出来事です。
したがって、ほとんどの人が自分の体験談から得た経験を元に保育や介護を語ることができますし、少なくとも自分自身も誰かに育てられているという「n=1」が存在します。
しかし、それは貴重な体験であると同時に、わずかn=1にすぎません。
このn=1に当てはまらない人の方が圧倒的に多いのです。
にも関わらず、このn=1こそが、世の中の真理であり、絶対解かのように取り扱われてしまいがちです。
「保育ってこうなんですよ」
「子どもってこう感じてるんです」
特にベテランの保育士からこのようなフレーズをよく耳にしますが、果たして本当なのでしょうか。
そのn=1の経験をもとに立てた仮説がもしも違った場合、その子どもはどうしたら良いのでしょうか。
本来ならば伸びたはずの能力や才能が、n=1の押し付けによって潰されてしまった場合、どうしたら良いのでしょうか。

専門職の代名詞として医師がよく例えられますが、保育士や介護士を専門職として認識している利用者はどれくらいいるのでしょうか。
仮に専門職と思われていないのであれば、その理由は何でしょうか。
医師はn=1ではなく、カルテに基づいて豊富な事例やエビデンスを参照しながら話していて、保育士は自分自身の勘や経験であるn=1に基づいて話しているとしたら、事例を参照しようにも記録が手書きであるがゆえに保存されていないために参照できないとしたら、そこに専門性の差異が生まれていると考えられます。

しかし、社会福祉の業界においては、記録は全て監査後に捨ててしまいます。
記録データではなく記録用紙だからです。
記録の数がnを増やしますが、仮に、体調の記録データがあったとしても、その記録を入力する保育士の見立てが間違っていれば、当然「n」も間違った情報になります。
だから、現状把握が最も重要であり、スタート地点になりますし、そもそも保育士自身が正しく物事を見立てることができるよう自らの専門性を高めなくてはなりません。
それをサポートするために、私はVEVOを作りました。

これが、私がイメージする保育の未来です。