当社職員の専門性とマネジメント力向上の取り組みとして特徴的な制度「施設長ライセンス」と「PIQ」のをご紹介します。

この制度は2018年一般社団法人日本能率協会のKAIKAアワードでKAIKA賞をいただいており、外部機関から一定の評価を頂いています。

一般社団法人日本能率協会 KAIKA Award 2018
https://kaikaproject.net/awards/history/2018_globalbridge

保育園の先生に論文を書かせる?

当社では保育施設や介護施設の主任および施設長に必要なマネジメント能力を身につけるための「ライセンス制度」を導入しています。

更に施設長ライセンスの更新(2年毎)に際して、学会等への査読付き論文の提出を義務付けた「Progress in Quality制度(以下、「PIQ」)」を作り、継続的な専門性向上のための教育制度を実施しています。

なぜ福祉施設職員が専門性を高める必要があるのか?

保育および介護、障害者施設で働く職員は、様々な理由からその専門性を高めることが困難な社会構造的な問題を抱えています。

国および行政は、その専門性を高める必要性を認識し、その対応を行っているものの、財源の問題や急速に進む施設および職員の増加のために対策が追いついていない状況です。

保育士等の専門性向上が阻害されている社会的な背景は様々です。

1). 多岐に渡る専門分野
保育を例に取るとその専門性は、子どもが最も成長する就学前児童の発達段階の理解から発達心理、保健衛生、食と栄養(食育)、幼児教育、子育て支援(児童家庭福祉)、社会福祉全般に対する理解、施設マネジメント等多岐に渡り、且つ実践にはそれぞれの分野に対して更に深い専門性が必要となります。

2). 試験のない国家資格と上位資格
保育士資格は国家資格でありその取得は保育士養成校にて必要単位を取得する方法(資格試験無し)と保育士試験に合格する方法があります。
しかし、保育士の多くは養成校による資格取得であり、資格試験合格者は一部です。
本来であれば、養成校卒業後に国家資格試験合格を必要とする制度が適切ですが、現在の待機児童対策における保育士不足の観点から資格試験を必須とする制度への移行は現実的ではありません。
また、保育に関する資格は「保育士」のみで保育におけるスキルや特定の専門性を担保するための資格(専門資格、上位資格)も存在しません。

3). 保育施設等に対する社会的・教育的ニーズの変化
都市への人口集中や待機児童問題、地域コミュニティの衰退、核家族の増加による世代間交流の希薄化等の問題から、保育施設および保育士等に対する地域の社会的なニーズが大きく変化しています。
また、OECD(経済開発協力機構)等による乳幼児期の非認知能力に対する報告や2018年に改訂された「保育所保育指針」での保育施設の教育機関としての位置付けに対する内容など、保育所に対する教育的なニーズも高まっていますが十分な対応がなされているとは言い難い状況です。

上記の理由から当社は2017年度より施設長ライセンス制度とPIQ制度を導入しました。

尚、当社の海外研修に参加するためにはこの施設長ライセンスの取得が必須となります。

2018年度フィンランド海外研修《概要・準備編》

施設長ライセンス制度

それでは最初に「施設長ライセンス制度」について説明します。

ライセンス制度は、施設長のマネジメント力(実践力)向上を目的としてプレゼンテーション力およびコミュニケーション力、数値・係数管理力の3つの試験と役職者との面接を行い、合格者にライセンスを付与する人事制度です。

1). プレゼンテーション力:(プレゼンテーションの実施)
実際に施設等で抱える課題の中から、施設長自ら調査研究の課題となるテーマを設定し、仮説を立て、原因の調査・研究と評価、対策を実施し、その内容に対してプレゼンテーションを行います。
また、課題の設定から対応までを論理的に行い、振り返ることで課題解決に対してのPDCAの実践力を身につけます。

2). コミュニケーション力:(職員の採用面接ロールプレイ)
施設長はその施設の運営責任者です。良い人材の見極めと、良いと思った応募者に「この施設で働きたい」と感じてもらうスキルが必要です。
短時間で何を聞き、何を伝えるか、相手の答えや質問に対してどう答えるかをロールプレイにて確認をしていきます。
面接という短時間のやりとりの中で目的を達成するためのコミュニケーション力を身につけます。

3). 数値・係数管理力:(筆記試験)
一般常識や数値・係数管理(PL:損益計算書等)に関する理解を深めることで施設管理に必要な知識と能力を身につけます。

4). 役員面接
当社役員との面接を実施し、対象者の施設長としての資質を確認します。

尚、当社では施設長ライセンス取得支援のための「施設長育成塾」を開催しています。

第2回 施設長育成塾 「課題設定」

Progress in Quality制度(PIQ)

次にPIQについて説明します。

PIQは保育士等の専門性の向上を目的とし、施設長ライセンス更新のために査読付き論文の学会提出を義務付けた教育制度です。

ライセンス制度の継続期間は2年であるため、2年毎に査読付き論文を提出し、出来ない場合はライセンス停止となります(施設長職は継続可能だがライセンス手当は停止される)。

これは専門性の長期的・継続的な向上を目的としています。

1). 査読付き論文の作成
論文の作成は、最長2年をかけて作成され、文章作成能力と共に課題発見能力や論理的思考能力、調査研究とそれに伴うエビデンス収集や評価・分析能力の向上にもつながり、査読付き論文の発表という客観的な評価は本人の大きな自信にもなっています。
論文作成にはJASMの会員となっている大学等の研究者が施設長の論文作成のサポートを行っています。

2). プレゼンテーション
ライセンス制度におけるプレゼンテーションはPIQにおいても行っています。
このプレゼンテーションにより専門性に関しても論理的に考え、それを他者に説明し、批判に対して適切に回答することで、ライセンス制度からさらに高いレベルでの能力獲得を目指しています。

なお、PIQ対象者と研究テーマは社内外に公表されています。

PIQ(Progress In Quality)論文タイトル(テーマ)一覧
https://globalbridge.biz/piq/

この写真は和洋女子大学 こども発達学科 准教授 金井智恵子先生による「ゼミ」の様子です。施設長達の手元には関連する論文があるのが分かります。金井先生は一般社団法人 日本社会福祉マネジメント学会(JASM)主催の東京都保育士等キャリアアップ研修 の障害児保育を担当していただいています。

保育士等キャリアアップ研修レポート「障害児保育」第一回

 

今後も施設長ライセンスやPIQの様子について報告したいと思っています。


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