当社におけるSDGs(持続可能な開発目標)委員会の2021年度第1回目の活動として、4月30日に株式会社日本総合研究所創発戦略センター/ESGリサーチセンター シニアマネージャー村上芽氏を講師にお迎えし「ビジネスを通じたSDGsへの貢献をどう伝えるか」について講義をしていただきました。

当日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、オンラインで村上氏と中継をつなぎ、1.ESG投資とSDGs/2.SDGsを巡る世界の動き/3.SDGsへの貢献と企業の成長 について、大変興味深いお話を拝聴することができました。(当社のSDGs委員会メンバーはオフライン、オンラインでの参加)

ESGに配慮した事業活動こそがSDGsというゴールへの近道

最初に、ESG(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)とSDGsの関係についての解説がありました。ESGはSDGsと同様に環境問題や社会課題など世界の諸問題を解決するため国連から生まれた概念です。SDGsより以前からある考え方で、企業が持続的に事業を続けるためには「E(環境)」「S(社会)」「G(ガバナンス)」の3つの観点が重要だというものです。村上氏は以前より、このESGの観点から投資や経営戦略について活動してきた方で著書も多数あります。

SDGsとESGの違いは、SDGsが国連や各国政府が主体となっているのに対して、ESGは企業や投資家が対象になっていることです。

村上氏は「SDGsができたことで、ESGは、SDGsのゴールを達成するための手段・プロセスとなりました」と説明。続けて「現在の企業経営にはESGの観点が重要です。ESGの指標が高い企業は持続可能性が高く成長が期待できるため、投資家から見た場合、ESGが重要な投資の判断指標となっているからです」と述べました。

さらに、SDGsを巡る世界の動きについて「世界ではSDGsの取り組みや成果を数値化、見える化することが加速しています」とも。そして、SDGsを巡る世界の動きは「健康・教育・労働」と「気候変動」の2つになることや、日本政府の動向などにも触れました。

その後、SDGsへの貢献と成長をどう伝えるかについて具体例を出しながらわかりやすく説明しました。

村上氏は「SDGsは、世界共通の目標のため共通言語として自社の取り組みを発信できるチャンスです。SDGsに取り組む企業はステークホルダーの協力を得やすくなり、資金の調達が容易になるなどメリットが大きいからです」と語っていました。

「大胆な変革」「誰一人取り残さない」を念頭にアプローチ

講義後には質疑応答の時間がありました。当社は保育事業を主軸に事業を展開していますが、「当社は“質の高い教育をみんなに”を中心にSDGsに取り組んでいますが、SDGsが取り組む課題として、発展途上国や紛争地域における子どもたちへの教育普及という視点が大元にあると考えます。果たして日本国内ではどういう視点で、質の高い教育という課題に取り組むべきなのでしょうか?」という質問に、村上氏は「SDGSは、認証とか審査されるものではありません。また、答えがないのがスタートです。そのため、その国によって言葉を読み替えていくことが必要です。実は国レベルでの進捗状況を知る目安として、それぞれのターゲットに指標が定められていますので、それらを参考に御社の指標を策定するといいかもしれません」「また、この読み替えでいいのかという判断は、社内だけではなく、ステークホルダー、御社でしたら現場の保育士さんとか保護者様とか学識者の先生とかを交えて指標を作っていくことが大切で、信頼性も担保されると思います」と回答されました。

最後に代表の貞松から「本日、先生のお話を伺いSDGsに対しての考えの整理がついたと共に、いろいろな気づきもありました。中でもSDGsの2つのキーワードのうちの1つ『大胆な変革』というものに対して、当社も抜本的にアプローチを変えない限り達成できないし、そのためにはテクノロジーの活用が不可欠だと感じました。そして、もう1つのキーワードである『誰一人取り残さない』という点は、“民間”の力だけでは難しいと感じています。現在、日本では未就学児で教育を受けられない子どもたちが多数いることが問題視されています。残念なことに、子どもたちの教育環境は景気によって左右されてしまうからです。そういった公的な事も考えながらやっていくことも課題だと思いました」と感想を述べました。

 

 

文責:馬渕