当社では、保育事業、障害福祉事業、介護事業、ICT事業の4事業を展開しています。中でも、当社が運営するサービス付き高齢者向け住宅「やすらぎ 入谷」と「あい・あい保育園 入谷園」は同敷地内にあり、以前から定期的に世代間交流を行っていました。

しかし、新型コロナウイルスの感染予防対策のために世代間交流は中止に。そこで、職員が考えたのが「オンラインによる世代間交流」です。大変だったことは?初めてでも上手くいった?注意点は?気になる事を、関係者に聞きました!

敬老の日に保育園児とオンラインによる世代間交流を企画

Qオンラインによる世代間交流をやろうと思ったきっかけは?

やすらぎ 入谷の千葉施設長(以下、千葉施設長):これまで世代間交流は定期的に行ってきました。でも、コロナ禍の中で中止せざるをえない状況に…。利用者から再開を望む声が大きかったのがきっかけです。そこで、敬老の日のイベントのひとつとして、職員の上田が会えなくてもなんとか交流が図れないかと、いろいろ考えてくれた案のひとつがオンラインによる交流会でした。

Qオンラインの他にはどんな案があったのですか?

やすらぎ 入谷の職員上田さん(以下、上田):保育園の子どもたちから手紙をもらう、世代間交流新聞を制作するなどの案がありました。あい・あい保育園入谷園の福西施設長と相談して、オンラインが一番いいのでは?ということで実施することになりました。

Qこれまでオンラインによる交流はやったことがあったのですか?

上田:いいえ、今回が初めてです。だから、オンラインでの交流で本当に喜んでもらえるのだろうかということが、最後まで心配でした。

千葉施設長:私も最初は、正直、リアルなふれあいではないのであまり喜んでもらえないのでは?と感じていました。でも、自分でもオンラインによるセミナーや会議をやるようになって「オンラインは顔も見えるし声も聞ける。利用者様にも楽しんでもらえるのでは?」と感じるようになりました。

Q厚生労働省でもオンラインによる高齢者施設での面会を奨励したりしていますね。

千葉施設長:そうですね。交流が途絶えてしまうことが、一番寂しいことですから。幸い、やすらぎ 入谷と当園ではネット環境が整備されていますから、思い切ってやってみたわけです。

オンラインならではの良さを活かして、交流は大成功!

Q準備で大変だったことは?

上田:企画の作成までは大変でしたが、実際に準備が動きだしてからはスムーズにできました。まず、ネット環境や機器類のチェックは、本社とも連携して滞りなく準備しました。後は、当日、ネットの調子が悪いなど、突然のトラブルあった場合の対処方法を理解したくらいです。オンラインというと構える方もいるかもしれませんが、決して大変ではありませんよ。

Qなるほど。オンラインの良さを活かすために工夫されたことは?

上田:どうすれば、高齢者・子どもの双方にとって意義のある交流になるかを意識しました。子どもたちが事前に用意してくれたプレゼントを職員が渡したのですが、タイミング良く、子どもたちみんなで利用者の方のお名前を呼びながら渡すことにしたのです。以前、“自分の名前を呼ばれると親近感が増す”と教えていただいた事を取り入れてみました。

Qそれは、楽しそうですね!

上田:はい。タブレットで利用者お一人ひとりのお顔を順番に大型スクリーンに映します。すると、そのお顔をみながら保育園にいる子どもたちが可愛らしい声で「〇〇さんありがとう!」と声をかけます。その瞬間、みなさん顔がほころんでいました。

千葉施設長:利用者の方の中には、以前に交流していたお子さんを覚えている方もいて、「久しぶりに会えてうれしい!」「〇〇ちゃん、大きくなったわあ。」と子どもたちの成長の様子を喜ばれていました。みなさん楽しそうで、あっという間の30分でした。

Q保育園の子どもたちの様子はいかがでしたか?

あい・あい保育園 入谷園の福西施設長(以下、福西施設長):保育園の子どもたちは3~5歳児、総勢35名が大型スクリーンの前に集まりました。とにかく、みんな大喜びでした。大きなスクリーンから、入谷のおじいちゃん、おばあちゃんが手を振ってくれたりすると3,4歳の子たちは、もう、それだけで楽しくて!一方、5歳児は、さすがはお兄さん・お姉さんらしく、高齢者の方が喜んでくれている様子を見て、本当に嬉しそうにしていました。

“オンラインだから…”などという心配は大人の無粋な心配にすぎませんね。「人を思いやる」という世代間交流の大切さを改めて感じました。

Qプレゼント以外にはどんな事をされたのですか?

福西施設長:ダンスと歌のプレゼントもしました。特に歌はタイトルが「ありがとうの花」というもの。歌詞の一部を「やすらぎ 入谷」に入れ替えて歌いました。実は、用意したプレゼントは“おりがみの花”。すると子どもたちが、「お歌が、『ありがとうの花』だからプレゼントのお花も“ありがとうの花”って名付けようよ!」と、提案してくれたんですよ。

園児たちから「ありがとうの花」を贈らせていただきました。

今回の反省点を改善し、今後もさまざまな交流を!

Q素敵なエピソードですね。今後のための反省点などはありますか?

上田:当日は、心配していたトラブルもなく無事に終えることができました。ただ、映像は問題なかったのですが、音量が聞きとりにくいことがあったので、機器を利用して工夫していきたいですね。

福西施設長:オフラインの場合、会える人数が限られてしまいますが、オンラインだと大勢で合えるのが良いと思いました。ただし、あまりに楽しいせいか、子どもたちの声のボリュームがMAXになってしまいました(笑)。きっと、やすらぎ 入谷の方は聞き取りにくかったのでは?と感じました。そこは、工夫の余地が必要ですね。

初めての挑戦だった「オンライン世代間交流」は楽しい思い出として、やすらぎ 入谷の利用者様とあい・あい保育園 入谷園の子どもたちの心に残ったようです。

両園では、今後も、保育園の行事で使う小道具や装飾などをやすらぎ 入谷の利用者様がお手伝いするなど、さまざまな形での世代間交流を考えているとか。異世代との貴重な交流体験が身近にある環境を大切にしていきたいそうです。

文責: 馬渕