菅義偉総理との勉強会が2020 年 12月14日 開催され、弊社代表取締役社長兼CEOの貞松も参加いたしました。

本勉強会は、日本の成長を促すために打破すべき規制・慣習や、革新的技術等についての意見を有為な方々から聞きたい、との菅総理の要望で開催されたものです。

当日は、参加者が自身や業界が直面する具体的な規制改革や成長戦略についてプレゼンしました。貞松は「待機児童解消後に保育業界で懸念される3つの課題」について意見を述べさせて頂きました。

待機児童解消後に保育業界で懸念される3つの課題

①保育所の利用条件の緩和について
現在、幼稚園にも保育所にも通っていない未就園児数は全国で約14万人と推計されています。3歳以降の未就園児は、低所得、多子、外国籍など社会経済的に不利な家庭や、発達や健康の問題(早産、先天性疾患)を抱えた子どもに多い傾向があり、さらにコロナの影響で地域の繫がりや経済が弱くなっている現代社会の中では、保育所はこうした未就園児のセーフティネットとなることは重要な役割の一つであると考えます。そのためには、現在の教育無償化に加えて、親が働くことで通うことができる保育所親が授業料を払うことで通うことができる幼稚園といった従来の垣根を越えて、利用条件をなくし、未就学児童(3歳が望ましく、遅くとも世界標準である5歳)への教育を義務化するなどの対策が望ましいと考えます。

②保育所の保護者への教育費の徴収について
保育所から小学校へ就学する児童数が、幼稚園から小学校へ就学する児童数を上回りつつある現在[1]において、保育所は幼稚園同様に就学支援の役割が求められています。しかし、幼稚園とは違い、保育所が教材を要する授業を提供したとしても、児童福祉の観点から保護者から教材費の徴収することは原則として認められておらず、教育環境に差が生じます。従いまして、民間保育事業者に利用者への教材費徴収の裁量権を与えることで、就学に向けた保育所教育に特色が生まれ、公立と民間、さらには民間保育事業者間の棲み分けが整理されていくものと考えます。

③保育士の個別最適配置について
教育の個別最適化について注目が集まっている中、個別最適化された保育が提供されるためには、まずは保育士の最適配置が重要です。特に、保育中の怪我や午睡中の死亡事故などは保育士の配置、すなわち役割が不明確な保育者の配置が原因となっています。その結果、児童福祉法に照らした必要最低限の保育士数が時間帯別に配置されていない可能性がありますが、デジタル化及びICT技術が遅れている教育業界ということもあり、それらを的確に確認する方法がありません。子どもの人数に合わせた保育士を配置するために、保育事業者に対して在園児数に合わせた保育士の最適配置数を時間帯別に紙面上やモニター画面上に表示させ、記録して保管するなどの対策が必要です。

[1] 令和元年版 少子化社会対策白書 保育園と幼稚園の年齢別利用者数及び割合.p68

これまで保育業界の様々な事案に取り組んで得られた知見を、微力ながらも直接菅総理へお伝えするという貴重な機会を賜りましたことに改めて感謝いたします。

また、貞松の保育業界に対する課題意識については、書籍『AI保育革命』-「福祉×テクノロジー」で人口問題の解決に挑む-にて詳しく述べており、菅総理にも謹呈させていただきました。

当社では、これからも日本経済発展と一助となるべく、全力で事業に取り組んで参りたいと思います。

文責:馬渕