園紹介の第13回目は葛飾区「あい・あい保育園 高砂園」です。

京成高砂口を出て徒歩5分。下町の雰囲気が漂う落ち着いた街中にたたずむ「あい・あい保育園 高砂園」は設立2年目。天気のいい日は毎日お散歩に行く園児たち。少し歩くと思いきり身体を動かせる柴又の土手もあり、子育てしやすい環境です。そんな高砂園のことを三橋施設長に伺いました。

ふれあうことで培う安心感。 遊びの中で生まれた“わらべうた”が園児の心を育む

Qあい・あい保育園 高砂園はとてもあたたかな雰囲気ですね。

三橋:ありがとうございます(笑)当園では、ふれあいを大切にしていて、特に“わらべうた”に力を入れています。“わらべうた”は昔ながらの歌詞で難しい面もあるので、月に1回は講師の先生をお呼びして、園児も保育者もみんなで覚えているんですよ。(2020年9月現在はコロナのため休止中)先生から教えていただいたわらべうたは今も引き続き保育に取り入れています。

お手玉を使った わらべうた「ぺったらぺったん」。もういっかい~!と何度もやりたくなります

Qそうなんですね!わらべうたとは、どんな歌なんですか?

三橋:わらべうたはもともと作曲者はおらず、子どもたちの遊びの中で生まれて、昔から歌い継がれている文化です。メディアが無い時代、行商などであちこちの地方を移動する人からひとへ伝わって、その土地に合う言葉やイントネーションに変化したうたもあると聞きました。

最近はゲームとかYoutubeとかに夢中になってしまう機会も多いと思いますが、特に0~2歳のうちに“わらべうた”を通してしっかりと触れ合いを持っていきたいと思っています。もちろん、ゲームやYoutubeとかが悪いというわけではないですが、当園では昔ながらの遊びも取り入れながら、園児の心を育んでいます。

Qなるほど。わらべうたは“遊びの中で生まれ、人からひとへ歌い継がれるふれあい”のうたなんですね。例えば、高砂園ではどんな“わらべうた”を歌ってるんですか?

三橋:たくさんありますが、例えば、皆さん知っているかなと思うのが『はないちもんめ』とか『いっぽんばし こちょこちょ』とかですね。『いっぽんばし こちょこちょ』だったら、「一本橋~♪」と始まると、そのさきの「こちょこちょ」を期待して、こどもはニヤニヤし始めますよね(笑)期待して、結果を想像して、待つ時間があって、そして自分が期待した通りに大人が叶えてくれる。そういった細やかな喜びの感情を積み重ねていくことが子どもとの信頼関係を深めていくとわらべうたの先生もおっしゃっていて、それまでもわらべうたの良さを感じてきましたが、まさにそれだとすごく共感したんです。

Qそれがわらべうたを取り入れている理由なんですね。

三橋:はい(笑)こういった理由は職員もよく理解をしてくれていて、指導案にも入れて、体系的に取り組んでいます。また、保護者支援の一環として、運動会で保護者の方と一緒にわらべうたを行うプログラムを設けたりもしました 。“自分を見てくれている”とわかると子どもたちは安心しますし、落ち着いた子になっていきます。信頼関係を作っていくことが何より大事なことだと思います。

発達段階にガッチリはまるおもちゃを。遊びこむことがなにより大事

Qあい・あい保育園 高砂園では手作りのおもちゃも豊富だそうですね。

三橋:はい。今年はコロナもあったので、登園自粛期間中に手作りおもちゃをたくさん作りました。既製品のおもちゃもいいところはいっぱいありますが、3歳~6歳までとか長く遊べるようになっているものも多いですよね。職員が作るおもちゃは1人の子が遊ぶ期間が2週間~1ヶ月とか短いものが多いです。

Qなぜ、先生方が作るおもちゃは遊ぶ期間が短いんですか?

三橋:発達の段階によって、その子自身が“今”夢中になるおもちゃを与えて“遊び込める”ように、ちょっとずつ難易度を変えたおもちゃ用意してあげるんです。子どもたちは簡単にできるようになると飽きてしまうから、遊べる期間が短いんですよ。

Qなるほど。発達段階を見極めて、その子の発達を促すおもちゃというわけですね。見極めるのは難しそうです‥

三橋:そうですね。園児の発達段階をよく理解しないと難しいかもしれません。例えば、ものを握る・つかむ力にも段階があります。積み木くらいのものをつかめても、ひもやリボンのように細いものや薄いものをつかむ力はまだないという発達の違いが同じ年齢や月齢でもあります。また、園児によって興味をもつポイントや楽しいと思うことは違います。水遊び一つとっても、水の流れをみて楽しんでいるのか、水の感触を楽しんでいるのか‥そのちょっとした発達の違いや時期を見逃さないよう保育者は園児のことをよく理解して、遊び方を教えてあげるんです。そうすることで園児は遊ぶ楽しさを知り、自分の好きな遊びがわかるようになっていきます。集中して、五感を刺激して遊びこむことができれば、小学校に上がったときも落ち着いて学ぶことができると思います。

おもちゃで遊ぶ姿は真剣そのもの。集中して遊びこみます

Q遊びこむために先生方が行っていることはなんですか?

三橋:子どもたちが“遊び込める”環境を作るため、毎月、カンファレンスで議論しあいます。やはり同じ環境だと飽きてしまうこともあるので。また、どんな発達段階にあるのか、しっかりと内面や心の動きを日誌に書き込むよう指導しています。言葉で表現できないと子どもの発達を理解しているとは言えませんから。

Q最後に一言お願いします!

三橋:遊びの意欲は学びの意欲に変わっていくはずです。今後も自分で好きな遊びを見つけられるように寄り添い、そして、自分で遊びこめる力を身に付けさせてあげたいなと思います。

あい・あい保育園 高砂園では、園児のお迎えの様子も見学させていただいたのですが、その日あった園児の行動の変化やクスっと笑ってしまうエピソードや頑張っていたことなどを保護者の方と先生方が談笑している様子が印象的でした。そのやり取りの背景には、常日頃から先生方が丁寧に子どもたちと向き合っていて、子どものことをより深く理解したいという想いがあり、その想いがあるからこそ、高砂園の温かい雰囲気を作っているんだなと思いました。

文責: 中村